よくあるご質問

こんなことも知りたい

 以下では、他のページで学んでいただいたことの復習をかねて、成年後見制度の重要なポイント、ちょっと気になる専門用語などについて、Q&A方式でご説明します。

こんなことも知りたい Q&A 目次

Q1.成年後見人として、しなければならないことは何ですか?

Q2.成年後見人がやってはいけないことは何ですか?

Q3.成年後見人として、やっておいたほうが良いことは何ですか?

Q4.成年後見人に出来ないことは何ですか?

Q5.「身上監護」って何ですか?

Q6.「法律行為」とか「事実行為」とかいう言葉が出てきますが、何のことですか?

Q7.「利益相反になる」というのは、どういうことですか?


Q1.成年後見人として、しなければならないことは何ですか?

A1.後見人になったら、以下のことを確実に行いましょう。

  1. 第一の仕事は、「財産目録」を作って、家庭裁判所または後見監督人に提出すること。
  2. 次に、財産目録記載の通帳、証書、契約書、権利書や、カード、実印など重要なものを、すべて受け取り安全な方法で管理すること。
  3. 役所、公的機関、金融機関への変更届出などの事務手続きを、早期に完了すること。
  4. ご本人が安全に、健康で、快適な生活が出来るよう必要な手配をして、その生活を見守ること。
  5. ご本人から預かった財産、金銭の出金・入金管理を厳格に行い、その内容を記録すること。
  6. 後見人としての仕事と財産管理の結果を、定期的に家庭裁判所または後見監督人に書面で報告すること。

↑目次に戻る


Q2.成年後見人がやってはいけないことは何ですか?

A2.後見人の責務を正しく理解し、与えられた権限の範囲を守って、誠実に後見人としての仕事を遂行しましょう。

  1. ご本人の生活状態の見守りをせず、生活に必要なことへの手配を怠ること。
  2. ご本人の意思を尊重せず、これを無視すること。
  3. ご本人の財産から勝手にお金を引き出して、私費に流用すること。
  4. ご本人の自宅を、家庭裁判所の許可を得ずに売却したり、賃貸に出したりすること。
  5. 後見人の報酬を勝手に決めて、ご本人の財産から引き出すこと。
  6. ご本人の財産に損害を与えるような行為をすること。
  7. 権限を乱用したり、家庭裁判所から認められた範囲を超えた権限を行使したりすること。
    保佐人補助人の場合には、後見人に比べて与えられた権限に制約がありますので、越権行為を行わないよう注意が必要です。
  8. ご本人の財産に担保を設定したり、預かったご本人の財産を担保に借金をするなど、債務を負わせる行為をしたりすること。
    *特別な事情がある場合には、家庭裁判所に相談してください。
  9. ご本人の財産を使って投資・投機を行うこと。
  10. 途中で勝手に後見人の責任を放棄し、家庭裁判所などの了解を得ずに後見人を止めてしまうこと。

↑目次に戻る


Q3.成年後見人として、やっておいたほうが良いことは何ですか?

A3.いざというときに、あわてなくてすむように、準備をしておきましょう。

  1. 後見人として行った仕事や、ご本人と面談したときの状態について、こまめに記録すること。
    *記載は簡潔なものでかまいません。
  2. ご本人の財産からのお金の引き出しとその使途について、そのつど記録すること。
    金銭出納帳でかまいません。
  3. ご本人財産の相続人となる人に対する概況報告を行うこと。
    *簡潔にまとめたものを、年に一回程度でかまいません。報告義務ではありません。
  4. ご本人の財産で変額保険や商品取引、リスクの高い株への投資などがあったときは、専門家と相談して安全な金融商品に組み替えをすること。
    *知識や経験がないまま独断で処理すると、かえって損失を招くことにもなりかねませんので、注意しましょう。
  5. 事故の発生やご本人死亡の際の連絡方法を確認しておくこと。
  6. ご本人の住居地の治会長、民生委員、地域包括支援センターなどとの関係を維持すること。
  7. 「市民後見センターきょうと」のホームページを時々見ること。
    *きっと、参考になる情報が得られると思います。

↑目次に戻る


Q4.成年後見人に出来ないことは何ですか?

A4.後見人には大きな法的権限が与えられますが、だからといってなんでも出来るということではありません。以下のようなことは、本来そのような権限が後見人に与えられていないものです。

  1. ご本人が手術を受けることについて同意書などに署名すること。
  2. ご本人の養子縁組や、結婚・離婚などを承認したりすること。
    *このような行為は、ご本人にしかできない「身分に関わる行為」であり、後見人が代行することはできません。
  3. 臓器提供や延命治療について同意したり、承認したりすること。
  4. ご本人の意思に反したことを強制すること。
    *無理やりに施設に入居させるようなことはできません。

↑目次に戻る


Q5.「身上監護」って何ですか?

A5.「身上監護」とは、ご本人の生活そのものに関すること、医療や看護、介護といった、ご本人の心身の状況に関わることについて、注意をして見守り、必要なときにはご本人を保護することをいいます。
後見人「財産管理」とともに、この「身上監護」についての法律行為を行うことになっています。具体的には、以下のような仕事をします。

  健康診断の受診、治療や入院に関する契約、医療関係費の支払い。
  ご本人の住居の賃貸契約、賃料支払い。
  介護サービスの選択、契約、費用の支払い。
  介護施設やグループホームなどへの入居契約、費用支払い。

↑目次に戻る


Q6.「法律行為」とか「事実行為」とかいう言葉が出てきますが、何のことですか?

A6.「法律行為」とは「行ったことが法律上の効果を生じる行為」のことで、それを行うことで「権利を取得したり、義務を負ったりするような」ことを言います。「ご本人に介護保険のデイ・サービスを受けてもらい、その費用を支払う」といった契約などが法律行為に該当します。
一方、「事実行為」とは、「法律行為」に相対するもので「それを行っても、法律上の効果を生まない行為」とされています。上記を例に取れば、「ご本人をデイ・サービスの拠点まで連れてゆく行為」で、ご本人の手を引いてセンターまで一緒に行くこと自体は、法的な効果を生むものではないため「事実行為」と判断されます。また、ご本人の買い物に付き合うことや、料理を作ってあげることなどは、いずれも「事実行為」となります。
いずれも、普段、普通の人が使う言葉ではありませんし、「これは法律行為か? 事実行為か?」などと考えも込むような問題でもありません。
ただ、後見人の本来の仕事は、たとえば「デイ・サービスのメニューを選んで契約し、そのサービス利用料を支払うこと」であって、「ご本人をそこまで連れてゆくこと」は後見人の責務には含まれないということを理解しておきましょう。

↑目次に戻る


Q7.「利益相反になる」というのは、どういうことですか?

A7.同じ一人の人間なのに、利害が相反する二つ以上の、異なった法律上の立場や権限が与えられた状態をいいます。
たとえばグループホームの施設管理者であるAさんが、入居者Bさんの後見人になったとすると、Aさんは本来、グループホームのサービスを提供する側であり、その施設の利益のために働くことが本来の仕事なのですが、Bさんが施設のサービスに不満を持っているとき、Aさんは後見人として「Bさんの不満を代弁してサービス改善の要求をする」という仕事をしなければならない立場に置かれます。このようなとき、Aさんは「Bさんの不満を解消しようとすれば、職員を増やさなければならないので、Bさんには我慢してもらおう」と思うのが普通で、これではBさんの後見人としての職責を放棄したことになります。
 「こちらを立てればあちらが立たず、あちらを立てればこちらが立たず」という、まさに矛盾を抱え込んだ状態を言います。また、それが金銭的な利害損得となると、一層難しい状況に陥ります。

 長男であるYさんは母親Xさんの後見人になっていましたが、長年入院していた父親が亡くなりました。そこで、母親のXさんと後見人であるYさん、それから妹のZさんの3人が相続人となったわけですが、母親Xさんは既に判断力が失われていますから、遺産相続の協議に参加することができません。長男Yさんは、「家のローンもあるし、少しでも多く財産を相続したい」と思いますが、同時に、母親Xさんの後見人ですから、母親が法律で定められた相続の配分額を受け取れるようにする立場でもあります。「どうせ母親は何も分からないのだから、妹を丸め込んで自分の取り分を多くしようか・・・」と思うのも、正しくはありませんが、人情というものかもしれません。
 これが「利益相反」です。このような状態では、母親の正当な権利を確保することができませんので、後見人であるYさんは、家庭裁判所に「特別代理人」を立てる申請をしなければなりません。特別代理人は母親の権利を主張する立場であり、長男、妹との相続の協議に加わって、母親の法定相続分をしっかりと確保することになります。長男Yさんに後見監督人がついている場合には、監督人特別代理人の役割を果たします。
 Yさんが法定後見の申請手続きを行なうときに、すでに上記のような相続問題が発生していれば、家庭裁判所は「後見人候補者であるYさんが利益相反の立場にある」と判断して、後見人にはYさんとは別の第三者(弁護士や司法書士といった人)を後見人に選任することになります。


 後見人を引受けた後で「これは利益相反ではないか?」と思われる状況は、いろいろな場面で発生すると思います。そのような時は、家庭裁判所や後見監督人に相談して指導を受けるのが正しいやり方です。

↑目次に戻る

ここが知りたい任意後見← | こんなことも知りたい

ページの先頭へ