ここがポイント
「成年後見制度利用のメリット」
成年後見は、なんとなく難しそうで、取っつきにくい??
正直なところ、難しい言葉がたくさん出てきて、分かりにくい部分がありますが、それには理由があります。
「成年後見制度」は、判断力の低下した高齢者などが、安全で快適な生活を維持していくための仕組みですが、この制度による後見人には、ご本人の財産全般を管理するなどの大きな権限が与えられることになるため、きちんとしたルールを作って、ご本人の財産が、私的に流用されるような事故を防止する必要があります。
そのため、この「成年後見制度」は法律によって、その運用方法や手順が定められ、家庭裁判所や公証役場、法務局といった、公正な法的機関が関わる仕組みになっています。
「難しい」という印象を与えているのは、法律の専門用語や聞きなれない手続き上の用語などが、頻繁に出てくるためですが、それだけしっかりした法律の仕組みが出来上がっているのです。
「成年後見制度」 は、判断力が落ちて、自分ひとりの力では通常の生活が困難になったときに、後見人を付けて支えてもらう仕組みで、「誰もが、自由に、かつ安全に利用できる」よう、法律で守られている制度です。
成年後見制度のメリットと利用する場合のポイントを整理すると、以下のようになります。ご確認ください。
法定後見制度のメリット
- 「法定後見制度」を利用すれば、あなたが判断力を失っても、あなたの後見人が、あなたの生活環境と財産をしっかり守ります。
- あなたが元気な間に、居住・生活環境や財産の使い方などについての考えを書面で残しておけば、後見人は可能なかぎりあなたの意思を尊重して、後見人としての仕事をします。
- 後見人があなたの健康・安全・生活レベルの維持を見守り、犯罪や悪徳商法の被害から、あなたを守ります。
- 家庭裁判所が後見人から報告を受ける形で、あなたの生活を見守ります。
- 後見人がしっかりと財産管理をしておけば、相続のときまでその記録が残り、相続問題でのトラブルを避けることにつながります。
法定後見制度利用のポイント
- ご家族などが、ご本人の記憶力、判断力などについて常に注意を払い、異常を感じた場合は「もの忘れ外来」など病院の専門科で診断を受けるようにしましょう。
- 判断力に障害が出るようであれば、成年後見制度の利用のための準備(申立人、後見人の選定など)を早めに始めましょう。
- ご家族などで検討し、ご家族・親族や法律の専門家などの中から、適当な後見人の候補者を選び、なるべく早く家庭裁判所に申立の手続きをしましょう。
- 成年後見制度や後見人候補者の選定について、家族みんなで情報を共有しておきましょう。
- 脳梗塞や交通事故などで脳に損傷を受けたときは、その翌日からあなた自身が判断力を失うということになりますので、日頃から、成年後見制度、認知症の症状、あなたの将来の生活についての希望、財産の処分などについて、考えをまとめ、ご家族ともよく話し合い、それを記録しておくように心がけておきましょう。
任意後見制度のメリット
- 「任意後見制度」を利用すれば、あなたが判断力を失っても、あなたが選んだ後見人が、あなたの生活環境と財産をしっかり守ります。
- あなたの希望に沿った財産の適正な管理と活用を、また、あなたの希望した居住・生活環境の維持を、後見人に託すことができます。
- 後見人があなたの健康・安全・生活レベルの維持を見守り、犯罪や悪徳商法の被害から、あなたを守ります。
- 家庭裁判所が後見監督人を通じて、後見人の仕事を見守ります。
- 後見人がしっかりと財産管理をしておけば、相続のときまでその記録が残り、相続問題でのトラブルを避けることにつながります。
任意後見制度利用のポイント
- 後見人は、ご家族・親族や法律の専門家などの中から、あなたが一番信頼できる人を、しっかり見極めて選びましょう。
- 実際に利用するのは、判断力が落ちた時からですが、準備は今から始めましょう。
判断力が落ちても、あなたらしい生活が維持できるよう、あなたの希望や考えをまとめて、後見人に定めた人とよく話し合っておきましょう。
- 成年後見制度利用のメリット
- 後見人の選び方